忘れ物をしたよ 昨日に
それを明日 探しに行くよ
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天気の揺れる夏の昼を隣で

こんなに書いているのはきっと、語りたいことについて語るべき場所がここでしかないからだ。適切な場所がここだからだ。短い途切れ途切れの言葉よりも、ひとまとまりの雑多な気持ちを遠慮もなく吐き出せる場がここだからだ。醜い感情も美化して、美しい言葉に変えて、そうしている自分自身と向き合っていくために必要な場。

 

好きだったんだと思う。夢の中で、ここ何年にも渡って一番仲が良かった人だと呼んでいた言葉に一切の嘘はないと思う。そこまで適切な表現が夢の中の自分から出るとは思わなかった。友達にはなれないタイプなのに、一番の親友だったと。私はきっと、パートナーと呼ぶべき存在にそういう要素を強く求めるようになっているんだ。だから、結婚なんてしたくなかったけど、「あなたとなら」結婚してもいいと思ったんだと思う。過度に親密な親友というのが私にとっての恋愛の近似値なんだろう。それがあなただった。楽しいことを共有できる存在は私にはあまり多くない。それは単に、私が人と楽しいことを共有することに抵抗があるというか、自分の好きや楽しいを誰かと共有することが得意ではないからなんだけど、あなたの前でなら自分の好きなものについていくらでも(まあもちろん語れないものもないわけではないけど)語っていられた。共通するものも、共通しないものも。共通しないものについて語れる人なんて、今までの人生にいたかな。今の私は昔の私よりも好きなものの話を人にすることが出来るようになったけど、それはきっと彼が教えてくれたからだと思う、私が何を好きでも構わないということを。

 

そのままの私を受け入れてくれていたのかもしれない。嫌だと思うこともあっただろう。それはそれはいっぱいあっただろう。でも、こんなに問題だらけの私を、いらないと思う理由ならいくらでも用意できる私のことを、受け入れてくれていたのだと思う。それがもし恋愛ではなくなったとしても、人としては好きだと言ってくれることを大事にしなくちゃいけない。開いた世界がたくさんある。大丈夫だと思わせてくれたこともたくさんある。私にとって外の世界への一つの判断基準だった。受け入れてもらえないのが怖くて言えなかったものも何度もあったけれど、それはそれだけhe mattered a lot to meっていう話なんだよね。今は、語れる。皮肉なことに。もう失いなおすことがないと、思おうとしているから。まだ失う余地があることを直視しないように自分に仕向けているから。

 

今の関係性は、友人たちには叱られるけれど、心地よいの。駄目だと、はっきりさせたほうがいいと、そんなのじゃ前に進めないと、言われてしまうけれど。それは何も間違っていないとは分かっているけれど。でも、今はまだ前に進みたくないんだ。後ろに戻ろうとも思わないけど、言いたい文句もいっぱいあるけど、でもここにいたい。しばらくは。だってあんなに長い時間、その環境にいたんだもの。嫌になって離れたんじゃない、嫌いになったんじゃない。そうじゃなくて、……そうじゃないから。そうじゃなくてどうなのか、まだよく分かっていないけど。自分自身がどうしたいのかまだ考えていたい。まだ向こうがどういう風に物事を捉えているのか観察していたい。太陽に照らされた甘ったるいぬるま湯の中で、ぼんやりしていたい。冬になってこの水が凍ったときになって初めて考えたい。

 

あんまりにも共有してきた時間が長くて、ただの友達にはなれないなと思う。距離感がやっぱり。何も変わらなかったなと思う側面もある。それが嬉しくもあり、悲しくもある。友達として一緒に時間を過ごしても何も行動が変わらないということを、体感してしまった。でもあなた、それ普通の異性の友人にも同じことをするの? と思うこともたくさんある。逆に、同性の友人にも同じことをするの? とも思うし。私には私だけの場所があるんだろうなと思ったけれど、それを彼がどうラベリングしているのかは私にはまだ分からない。ラベリングなんてしようとするからいけないのかもしれないね。私は私で、彼は彼で、他の人は他の人で。それ以上でもそれ以下でもないのかもしれない。分からない。一般名詞的な呼び名がないのは、ほんの少し、不便。

 

手を繋がなくなった。会う頻度が、連絡の頻度が、格段に減った。キスもしないし、腕に触れることもない。それ以上の親密な接触は元からあんまりなかった。二人きりで過ごすことはなくなった。二人きりで出かけることはある、というか、出かけるとして他に共通して誘うべき人がいないし。でも、空間的に二人になることは選ばなくなった。私自身の警戒心の問題もあるけれど、そりゃそうでしょと思うしね。でも、それ以外はあんまり変わらない。同じお味噌汁を啜れる。顔を寄せ合って小さな画面を覗き込める。同じ胡瓜を齧って、無防備に隣で寝落ちることもできる。親密すぎる親友だ。それは私にとって、恋愛の近似値だったし、きっとそうであり続ける。

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