それは白昼に

  • 2019.08.23 Friday
  • 23:50

悩んでばかりの時間帯もあるし、悩むほどの元気がない時間帯もあるし、どっちでもいいやと思う/思える時間帯もある。色んなことが移り変わっていくけれど、これまでにも色んなことが移り変わってきたんだなと思うと、それもまた仕方がないことだ。

 

買ったばかりのタンザナイトの指輪はキラキラ光って、嬉しくてどこにでも着けて行ってしまう。私の新たなお守りになってほしい。何かに守られていないと安心できないから。たくさんの、私を守る拠り所は、どういう思いで与えられてきたのだろう。そういえば、そこの心変わりが透けて見えたときに、とても悲しく思ったことを鮮明に覚えているなあ。物質的な未来の可能性を突き付けられて、それは酷く無機質で、血の通わない永遠だったから。そんなものを貰うくらいなら、今のほうがよかったんじゃないかと自分に言い聞かせる夜もまた、ある。

 

自分のした選択が間違っていたとは思わない。とっても正しかったと思う。あのときにできた最良の選択だったし、今でももし冷静でいられたなら同じことを選ぶだろう。血の通った温かい手を包んでいたい。温かい体に抱き締められていたい。そうでないのであれば、それはいらない。泣いて喚いて手に入るものよりも、笑顔で手に取れるものがいい。それはもちろん、プライドの問題でもある。私が私を許してやれなくなる。そんなことをして、慈悲を得て、それはきっと私が私を許せなくなるから。きっと、今よりももっと酷い状態に陥ったと思うから。見ていない未来だから全ては推測の域を出ないけれど、ある程度の確信を持ってそう言える。

 

キラキラ光る指輪を盗み見する親友の目線には、何となく気付いていた。何となく話の流れとしてそれを見せびらかすタイミングを逃して、後になってこれが何なのか伝えたら、触れていいのか分からなかったと言われた。いいに決まってるでしょと思うのだけど、どういう問題が発生し得たと言うんだろう。戻ってもいないし、誰か他の人がいるわけでもない。そこには踏み込まない程度の距離を保ってくれる、近しい親友。言うまでは何もかも待っていてくれるからありがたいな。私が私のために用意したお守りだよ。聞いてくれても大丈夫だよ。どういう問題が発生し得るか彼女にも分からなかったからそういう躊躇をしたのかもしれないね。何も怖くない。何かがここにいてくれると安心するから、自分を大事にするための、ちょっとした贅沢だよ。

 

このキラキラに、彼は気付いただろうか。気付いていないわけはないと思う。気付いていないとしたら、本当に何も見えていないんだろう。日焼け止めを塗る度に外して着け直す、大切な指輪。ほんの半年前までは似た色をした別の指輪にしていた扱い。あれよりもキラキラと光る、真新しい、石のついた指輪。どう思っただろう。我慢できずに見せびらかすべく種明かししたときに、今初めて気付いたかのような反応をされたけれど、どうだったんだろう。本当に気付かなかったんだろうか。気付いてもらうために着けていたわけではないけれど、そういうわけではないけれど。でもこれは、私なりに前に進むための一歩だから。その先に誰がいるのか、誰かがいるのか、そんなことは全く分からないけれど、少なくともどうにか私自身はそこにいるように。

 

タンザニアの夜の空の色。初めて聞いたという石の色。光の当たり方によって微かに色を変えるこの石は、あなたの目にはどう映っただろう。小さな小さな石なのに、あの炎天下、とても大きく胸を張るように輝いていた。

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  • 2020.06.04 Thursday
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