忘れ物をしたよ 昨日に
それを明日 探しに行くよ
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ブルースカイ 1
空の色を携えた
私の生意気な天使達が
今日も幸せに生きていけますように
そう願って私も生きるから

昨日からお世話になっている病室の中を散歩していたら、小さな落書きを発見した。部屋の入り口から見て奥の壁の隅。鉛筆か何かの薄い文字で書いてあったのは、意味がよくわからない四行の言葉だった。若い字、女性の字だった。

ちょっと高い熱を出して入院するはめになった。折角の連休なのに友達と遊べるわけでもなくて、ただ寝とけというのは、女子中学生には酷なものだ。先輩の目も先生の目も気にしなくていい。鬱陶しい後輩に会う事もない。そんな素敵な連休なのに。
身体が怠いから謎の四行から離れてベッドに横たわる。一分くらいしたら看護婦さんが来た。若くて、完璧とは言えなくてもそこそこ美人な看護婦。顔に合わず、ハスキーな声で色々話してくれる。面白くて少し気に入った。
折角だから、今の発見について少し聞いてみようかと想った。

「ねえ」
「どうしたの、大岡さん」
「さっきさあ・・・」
「何?何かあった?」
「いや・・・ねえ、前にここの部屋使ってた人ってどんな人?」

看護婦さんは一瞬上を向いて、ああ、と言って笑った。

「高校2年生の女の子だった。すごく可愛くて良い子」
「えー、そんなに若い人が入院?」
「大岡さんの方が若いでしょ」
「そうなんだけど」

「その子、どうしたんですか?」
「んー、まあ、ちょっと病気があってね。今は違う病院に行ったはずよ」
「そうなんだ・・・」

私の前にここを使っていた女子高生があの落書きを残したんだろうか。確かに文字から推測する年齢は大体そんなもんだ。でも、高校2年生の女の子とあの文章が上手く噛み合わない。「空の色」?「生意気な天使達」?どういう意味なのか、ますます不思議だった。

看護婦さんはお隣さんの検温をしにいかないといけないからと言って部屋を出ていった。私は一人で白い天井を見つめながら考えていた。

明日お見舞いに行くよ、と友達からメールが来ていたのに気付かなかった。
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